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さてさて第三回です
おそらく次回更新分で最後まで載せるかと思います
それではどうぞ


INTERVAL


「とにかくこれで私が王手をかけたわけだ、もう決まったも同然だな」
「まだわからないわよ、次は絶対勝つ」
 先ほどのショックから少しずつ回復してきた私は、徐々に強気を取り戻していた。
 というのも、ナギちゃんがお腹減ったぞハヤテと言い出したのでお昼休憩をとることにしたのだ。
 なんせ朝から三つ連続でアトラクションに乗っていたので、とっくに正午をまわっていた。
 私もちょうどお腹が空いてきたし、なにしろ真剣勝負の連続でヘトヘトだった。体もつかなぁ。
 取りあえず手軽に食べれるところということで、近くにあったフードコートに入ることにした。
 フードコートといっても大型スーパーにあるような一面真っ白で統一された安っぽい感じではなくて、様々な太さの木を使って建てられ、イスやテーブルやゴミ箱まで木で統一された巨大なログハウスだった。
わざと古めかしい色の木を使っているところが味を出していて、その木には小鳥や小動物が留まっているという芸の凝りようだ。
お昼時ということで他のお客でいっぱいだったけど、運良く窓際の四人掛けテーブルを親子連れがどいたのでそこに座ることが出来た。
「はぁ……せっかく作ったのに無駄になっちゃいました」
 ハヤテ君はさっきから軽いため息をついている。早起きして用意したハヤテ君特製愛妻弁当が無駄になったからだ。
 何故かというとナギちゃんが、
「庶民が普段どういう物を食べているのか見てみたい」
 と言い出したからだ。だから今は先に注文カウンターに行ってしまった。
 相変わらず鼻につく言い方だけど、「社会見学だ!」と言っていたので悪気は無いのだろう。
 しかしこれはハヤテ君の愛妻弁当を食べるチャンス!
 でもナギちゃんのために作ったお弁当なのに、図々しいと女だと思われるかな。だけど残したらもったいないしと言えば大丈夫だよね。でもハヤテ君が自分で食べるかも。
あ、高校時代は逆に私がお弁当を(勝手に)作っていたし、そのお礼ってことでね、うん、これでいける。
私はくだらない理由をあれやこれやと考え込んでいた。
テーブルのイスにずっと座ったままの私に疑問に思ったのか、ハヤテ君が何か言おうとした。
「西沢さんは何か買いに行かないんですか?」
「あ、えと、良かったらハヤテくんのそのお弁当私にくれないかな?」
 結局私が言ったのはごくごくストレートなものだった。突然聞かれて慌てたせいもあるけど、お礼だからちょうだいなんて言った方が余計に図々しい。
「え、食べてくれるんですか? ありがとうございます、助かります」
 あれ? あまりにあっさりと貰えてしまった。しかも感謝までされてしまったし。
 まさに考えるだけ無駄であった。
 でもこれで念願のハヤテ君の愛妻弁当ゲット!
 やっぱりピンチの後にチャンス有りなのだ。
 いける、運は私に向いてきた。今日は勝てる!
「私飲み物買ってくるけど、ハヤテ君何かいる?」
「あ、じゃあアイスコーヒーお願いします」
「は~い」
 私はにやけるほどの嬉しさを隠すために、席を離れることにしたのだ。

注文カウンターに行くと、麺類・肉類・飯類・軽食・飲み物という風に分かれて並んでいた。
ハンバーガー八百円、カレーライス千円、ハンバーグ二千円。高っ! どうせインスタントとかだろうに。夢もお金が必要な時代なんですね。
「何だこんなに安いのか」
 これが安い? 金銭感覚がおかしい。いったいどこのお嬢様だ。
「おうハムスターも買いに来たのか」
 まあナギちゃんなんだけど。
「それにしてもハンバーグって二千円で食べられるんだな」
 ガストの三百八十円の目玉焼きハンバーグが好物ですけど何か?
「あれ、何も買わないのか?」
 私は飲み物コーナーに行こうとしていた。
「うん、私は飲み物だけ。ハヤテ君のお弁当があるから。今頃返して欲しいと言ってもあげないからね」
さっき散々貶されたのでささやかな仕返しを実行した。どうだ!
「それくらいハムスターにやるよ、私は毎日ハヤテの手料理を食べているから。どうだ、羨ましいだろ?」
「むむむむ~!」
 羨ましすぎる……。何故かまた返り討ちにされてしまった。

私がアイスコーヒーとコーラを持って帰ると、ハヤテ君が呆然としていた。
「どうしたのハヤテ君?」
「食べ物の持ち込みは禁止らしくて、没収されました……」
そんな~!
運の風向きは一瞬で変わってしまったようだ。





「じゃあ“ま”……いや、“る”にしておこう」
 今絶対マリアさんを意識した。さっきのこともあり何となく不吉な予感がするんだろう。
 何とか昼食を終えた私達は、またどこからかのはなまるボックスの周りに集まっていた。
「うむ、『私の速さでハヤテもメロメロ、目指せ未来のシューマッハレーシング!』」
 よくもまあこんなに題名が思いつくものだ。
「それはだなハヤテ、コース上に寝転がっているハヤテのどれだけギリギリで止まれるかという度胸試しのゲームだ」
「いや僕まだ何も聞いてませんけど……」
「冗談だ」
 …………。
「と、とにかくサーキットへ向かうぞ!」



“ワ――――”
 サーキットの中へ入ると、何百という観客の歓声があがった。フラッグを振っている人や、横断幕を掲げている人までいる。
 いや待ておかしい。たかがアトラクションの一つだ、何故こんなに観客がいるんだ?
 しかも私達はただのド素人なのに。
 という当たり前の疑問なんかは全く浮かばなかった。
 だってまずあれはおかしすぎる――
“ナギお嬢様――”
“お嬢様頑張ってください――”
「SPどもめ……帰ったら覚悟しておれ」
 あれはSPだったのか。
 そう、観客席を埋め尽くしているのは全員黒服の男だったのだ。そこだけあまりに奇妙すぎる光景を醸し出している。怖い、はっきり言って怖い。
 あれだけの黒服の男が、いったい今まで何処にいたというのだろう。
 あれ? 今気づいたけど、もしかして私ものすごいアウェイ?
 さっきからSPはナギちゃんの応援しかしていない。当然なんだろうけど。
「ナギお嬢様~、西沢さん~、頑張ってください~!」
「ハヤテ君!」
 そうだ、今回はハヤテ君が応援に回ってくれていたのだ。
 ハヤテ君一人いるだけで百人力、百人乗っても大丈夫だ。
俄然やる気がでてきた。
「サーキットの狼を全巻読破した私が負けるなどあるはずがない。この勝負でハヤテとの十七分間を頂くぞ」
 ……関係あるのかな。でも後がない私は全力で挑むしかない。
 十七分間を逃すわけにはいかないのだ。

 マシンが用意されているところへ行くと、パイプのバンパーにボディ、むき出しのエンジン、車と呼べないほどの小さな車体が二台置いてあった。
 ゴーカートだ。
 この雰囲気と歓声がまるでレース時の鈴鹿を思わせるけど、所詮遊園地の一乗り物にすぎない。なんだか急に現実に戻されそうになる。
 でも、このレースにかける気持ちはF1ドライバーに負けないつもりだ。
 気持ちが高ぶってくる。
「せっかくだから私は赤いマシンを選ぶぜ!」
 何かのセリフじみた口調で、ナギちゃんが赤いマシンに乗り込んだので、私は青いマシンに乗り込んだ。
 キーを回し、エンジンをふかせる。
 ブブブブブウンブウン
「このエキゾーストノート(排気音)が堪らないな~!」
 ナギちゃんが何か専門用語を言っているけど何のことかさっぱりわからない。
 だけどこの音が堪らなく心をかき立てるのは良くわかる。
 アクセルを軽く踏み込み、スタートラインへ向かう、っと結構スピードが出るんだな。
ゴーカートに乗ったのは、小学校の修学旅行先以来だったので感覚をすっかり忘れているみたい。
 ジャンケンの結果、私が勝利したので、ポールポジションを手に入れた。これはかなり大きい。
「勝負は一周だけのガチンコ勝負だからな」
 そう、アトラクションの規定により、お一人様一周で交代だそうだ。律儀なんだから。
 さらに、レースをするのなら普通8台なり20台ですると思うのだけど、コース上には私達の二台だけ、まさしく一騎打ちというわけだ。
 でもそんな緊張感さえ今は気持ちいい。

ブウン
 シグナルレッドが点灯する。
 始まる。
ブウン
 始まる――
ブウン
 始まる――――
ブウウウン
 グリーンが点灯した。
 私はアクセルを目一杯踏み込んだ。
「いっけー!」
 戦略など全く無い私は、ポールポジションを生かして、とにかく先行逃げ切りを目指すことにした。
 思惑通りナギちゃんを引き離し、まもなく第一カーブへ差し掛かる。
 私はブレーキを踏み、内側向かって突っ込んでいく。
「あ、あれ? ハンドルが全然効かない!?」
 私は予想外の出来事に焦りまくり、結果カーブの外側の方へ大きく逸れてしまう。
キキキキッ
 必死にハンドルを曲げ続けながらブレーキを踏む。
 何とかグラベル(砂場)に突っ込むのだけは回避できた。
 しかし外側を走っていたはずのナギちゃんが内側から一気にオーバーテイク(追い抜き)しようとする。
「アウト・イン・アウト、カーブの基本だ。それにそんなオーバースピードで突っ込んだらアンダーステア(ハンドルが効きにくくなる)を起こすぞ」
 アドバイスなどして余裕で。
 何とか体勢を立て直した私だけど、ナギちゃんとは差が開いてしまった。
 何でもない差なんだけど、一周勝負でこの差はかなりキツイ。
 何とか抜き返せないかと前方を見るが、S字コーナーを非常に上手くこなしていくナギちゃんの姿があった。
 自分もS字コーナーに差し掛かり、必死にコース取りをしていたら、自分でも褒めたくなるぐらい上手くハンドルさばきができた。
 それでも差は縮まらない。巨大な電光掲示板に映し出されたセクター1のタイムでは、8秒の差があった。
 その時、前方から叫び声が聞こえた。
「うお~ドリフト~~~!」
ギャギャギャギャッ
 ナギちゃんがシケイン前で横滑りをおこし、けたたましい程のスキール音が響く。
 基本が大事だとか言いながらずいぶん無茶をする。
「うわっ!」
 案の定、ナギちゃんのマシンはスリップを起こし一回転した。
 慌てて立て直そうとしてるが、スピードは完全に減速しきっている。
 チャンス! 私は大胆かつ慎重にシケインを抜ける。
するともう目の前にナギちゃんのマシンがあった。離されないよう後ろにピタッとつける。
私のマシンは急に加速を始める。みるみるナギちゃんに近づいていく。
「なに、スリップストリーム走行だと!?」
 そう呼ばれる走行は、マシンの後ろが空気抵抗が少ないのを利用して、ついに追いつこうとした。
 今だ! ここぞとばかりにハンドルを左に振り、一気にナギちゃんをオーバーテイクすることに成功する。
「よっしゃ!」
 しかし喜びはほんのつかの間だった。しまった、カーブだ。
 今度は何とかスピードを落とそうとしたが、またもやハンドルが言うことをきかない。
その外側にそれた一瞬をナギちゃんは見逃さなかった。一気に内側からオーバーテイクする。
「スリップストリーム後は、ダウンフォースが低下してアンダーステアが起こりやすいんだ。使いどころを誤ったなハムスター!」
 またもや忠告を残して先にカーブを抜けてしまった。
 強い、強すぎる。なんて速さとパワーだよ。
 セクター2のタイムを見ると2秒差、決して抜けない差ではないが、後はコーナー一つでホームストレートに戻ってしまう。
 となると勝負は次の最終コーナーしかない。決める。
「私の勝ちだ」
ナギちゃんはセオリー通り、外側の縁石を使ってカーブに差し掛かる。
 私に残された方法はこれしかない。でも、いけるのか。
 私は耳を澄ませる。
エンジン音、ナギちゃんの叫び声、大歓声……歓声……声!
「西沢さん、最後まで諦めないで!」
 ハヤテ君の声が聞こえる。応援してくれている。
……よし!
 私は強引に内側から最終コーナーに入りこむ。
「性懲りもなく内側から来おって」
 ナギちゃんは馬鹿にするけど、もうこれしかない。
 私はインからアウトに抜けかけていたナギちゃんに一直線に突っ込む。
「な! ちょ、うあ!」
 ナギちゃんは堪らずハンドルを左に回して回避しようとするが、それが運の尽きで、思いっきりグラベルに突っ込んでしまった。
 それを見る間もなく私はハンドルを力の限り右に回す。
「曲がれ」
 アンダーステアとか知ったことじゃない。
「曲がれ――」
 ハヤテ君が応援してくれているんだ。
「曲がれ――――!」
キキイイイイッ
 想いが通じたのか、突然ハンドルは言うこときき、グラベル寸前のところでコースに復帰した。
 ホームストレートだ。
 もう私を邪魔する者はいない。
 アクセルを踏み込む。タイヤの空回りする音、エンジン音が響く。
 走る、走る。
 白と黒の、チェッカーフラッグが大きく振られる。
 大歓声があがった。
 勝った。私は勝ったんだ。





「おのれハムスター、私をはめおったな!」
「勝負に卑怯も無いんじゃなかったのかな?」
 なんて見栄を張っているけど、実はただの偶然だ。
 私が勝つには、とにかく攻めるしかなかった。セオリー通りにくる相手にセオリーで挑んでも勝てないからだ。
 だからセオリーなんか糞食らえでインに突っ込んだら、たまたまナギちゃんのミスを誘っただけ。
 ただそれだけ。
 でも、その勇気が無かった。
 一度ミスしてしまっているし、どうしても後一歩が、勇気が湧かない。
だけど、もらえる。ハヤテ君にもらえる。
 思えば昔の私はそんなに積極的じゃなかった。
 部活動も友達が入るって言うから入ったし、委員会なんて立候補すらしたことがなかった。
 でも、ハヤテ君と出会った日からは違った。
 プリクラを一緒に撮ったし、遊園地デートにも誘えたし、告白までしてしまった。
 昔の私じゃ考えられない。
 ハヤテ君から勇気を貰えるから。だから私はハヤテ君のことなら何でも出来る。ハヤテ君のためなら何でもする。
 私はそう思っていたし、そうできると確信していた。

 だけど、そんなのは所詮口先だけなのだと思い知らされることを、その時の私は知らなかった。

WINNER:歩



4.序章が終わる


「陽も傾いてきましたね。そろそろ帰りが混んできそうですし、出ませんか?」
「あ、うん、そうだね。出よっか」
 空を見上げると、だんだん紅く染まり始めていた。
 危ない危ない、例の計画を実行できないところだった。本末転倒だ。
 さすがに長時間二人一緒にいると、お互いの緊張も解けて、自然に楽しんでいたから、すっかり時間を忘れていた。これも夢の国の効果なのかな?
「そういえば、こないだ宗谷君が不良に絡まれたんだって。いつもの馬鹿力で返り討ちにしたみたいだけど」
「ハハ、さすが宗谷君」
「あの……もし私が絡まれたらハヤテ君は助けてくれるかな?」
 私は少し膝を曲げて両手を後ろで組んで、上目遣いで聞いてみる。友達の聖とアユからの直伝だ。
 無茶苦茶恥ずかしい。たぶん顔は真っ赤だ。
「いつも僕がいるわけでは無いので、護衛術を知っておいた方が良いですよ」
「え、ああ、うん……」
 あれ? 期待していた返事とも、考えたくもない返事とも全然違う。
「少ししゃんがんで、立ち上がる勢いをバネにして思いっきりアゴの下を殴りつければ、どんな屈強な男でも倒せます。スナップを効かせるのがコツですよ」
そう言うとハヤテ君はしゃがみこんで、殴るところを実演し始めた。
それより数あるだろう撃退法の中から、あえて殴るを女の子に教えるかな?
あ、もしかして宗谷君達に、ハヤテ君のことを本人の前でからかわれた時に、照れ隠しで宗谷君を殴っちゃうから?
私そういう女の子だと思われてる?
……でも私は知ってるよ。
ハヤテ君は本当に優しいから、本気で心配してくれているってこと。
だから一番確実な方法を教えてくれたってことを。
私はなんだか幸せな気持ちになった。
ハヤテ君みたいな優しい人を好きになれたのは、本当に

だけどそれは、すぐに緊張へと変わった。
いよいよ計画を実行するときがきたんだ。
私の心臓は、まるで爆破時刻が迫る時限爆弾のように、刻々と音をたて続ける。
「行きましょうか、西沢さん」
「うん、行こうハヤテ君」
観覧車へ――





 空が夕暮れに染まりつつあった。
あの頃の私は、ハヤテ君とはただのクラスメートだった。
お互いそこまで積極的なタイプでは無かったから、少し気まずくて、心から楽しめたとは言えなかった。
でも、今の私はどうだろう?
「それにしてもお嬢様と互角だなんて、西沢さんは器用なんですね。見直しちゃいました」
「そ、そうかな? まあ今の私なら機関銃でもセーラー服でも来い! だけどね」
「ハハ、西沢さんたら何言ってるんですか」
ハヤテ君がクスリと笑う。
それにつられて、私も笑ってしまう。
そんな私達を見て、ナギちゃんはブスッとしてしまう。
ほら、今の私達はこうやって普通に話せる。自然に笑いあえる。
だけど、今日の私はナギちゃんといがみ合ってばかりで、ハヤテ君と過ごす時間を楽しんでいた?もしかしてもの凄く損なことをしていたのかもしれない。
私は今頃になって後悔しだした。
「まあ、まさか最終決戦までもつれ込むとは思っていなかったがな。さすが我がライバルだ」
ニッとナギちゃんは笑う。
ああそうか。あんなに負けず嫌いな子が、私をライバルだと認めてくれる。
なら、それに真剣に答えなくて良いの?
そうよ、ここまできたら最後まで付き合おうじゃない!

「それで、最後の勝負は何なの?」
「ふふふ、それはだな」
「それは俺たちに蜂の巣にされることだ――!」
突然男の叫び声が聞こえ、その方向を見ると二人組の覆面の男が何か黒い塊をこっちに構え――
「西沢さん、お嬢様危ない!」
“パーンッ”
「うっ」
一瞬何が起きたか全くわからなかった。
ハヤテ君が私達の前に立ちはだかったと思った瞬間、銃声みたいな音が聞こえてハヤテ君が倒れ――
「ハヤテ君!?」
「ハヤテ!」
ハヤテ君が崩れ落ちた。
「ちっ、女に当たらなかったか」
「まあ良い、そいつを連れていくぞ」
そういうと覆面の男のうち一人が、ハヤテ君を抱えて城の中へ入っていく。
「おい、おまえらハヤテに何をした!」
強気な言葉をはくけど、ナギちゃんは今にも泣きそうに足を震わせている。
私も頭が真っ白で吐きだしてしまいそうだ。
「安心しな、撃ったのは人質にとるための麻酔銃だ」
安心しなだって? ふざけないで!
私は覆面の男を睨みつける。
……あれ? この男、前にどこかで――
「おまえらは……」
ナギちゃんも気づいたようだ。
「覚えていてくれて光栄だ。下田道中ではお世話になったのう小娘ども」
そうだ、前に下田に自転車で行った時に私達を襲ったマフィアだ。
ハヤテ君達にボコボコにされたというのに、まだ懲りないのか!
「覚えているなら話が早い。あの男を返して欲しければ、身の代金として全財産戴こうか、三千院さんよー」
「ぐ、だれがおまえらなんかに。おいSP達何とかしてくれ」
しかしSPは一向に現れない。ナギちゃんの叫び声が無常にも響く。
「残念ながらSPは始末させて貰った。こいつらにな」
するとネズミやアヒルや熊のマスコットがたくさん現れ、私達を取り囲んだ。
「元々の中の人にはおねんねしてもらっている。いや中に誰もいないんだっけか?」
男は可笑しそうに笑っている。許せない。
「頼むハムスター、ハヤテを……助けてくれ……」
ナギちゃんは完全に泣き崩れてしまった。見ていられない。
「二度と生意気な事を言えないように、痛めつけてやる。やれおまえら!」
マスコットが襲いかかってくる。
許せない? だからどうするの?
ハヤテ君のためなら何でもできるって? 足がすくんで立つこともできないのに?
私は結局口だけなんだ。
年下の女の子が頼ってくれるのに、好きな人が危険な目に遭ってるのに、私は無力だ。
私は何もできない。
何も――



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タイヤ交換 ... 感じが素晴らしく良いですねぇ このPROXES T1RはTOYOタイヤのフラッグシップモデルだけあり、ロードノイズも低くて乗り心地も快適な様子。 ... タイヤ PROXES R1R(2本入) ラジコン天国 ○低速域でのドリフト特性に優れる人気の樹脂タイヤT-DRIFTシリーズ?...
ちょいヲタオヤジのニュース速報 2009/08/05(水) 03:02

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